Martin D-18 原因不明の3弦からの謎のビビリ音の修理 DIY

Martin d18 ギター修理DIY

ギターを弾いてると、特にインストルメンタル曲の場合、ちょっとした異音でも気になる事があります。ある時、私のギターから原因不明のビビリ音が発生しだしたのですが暫く原因が全くわからず・・・ネットでも情報が見つかりませんでした。とてもレアなケースとは思いますが、同じような事で悩んでいる方がいれば参考になると思い、その時にどうやって原因を見つけて修理したのかをご紹介したいと思います。

私が経験した原因不明の謎のビビリ音とは?

自宅の静かな部屋でギターを弾いていると、ある日突然、「ジーン」と言う音が自分が弾いた弦の音とは別にかすかに聞こえるようになりました。それまでは、そんな音はした事はなかったのに不思議な現象に感じました。必ず音がするのではなく、ある弦を弾いた時だけです。1弦ずつチェックしたのですが、それはGの第3弦を弾いた時でした。最初は微かに聞こえる程度の「ジーン」と言う音だったのですが、気にし出すとだんだんと良く聞こえるようになって、ようやく手に入れた念願のギターで、購入当初は大変素晴らしい響きだっただけに、この異音が出始めたのには、大変ショックでした。

何かがGの弦が弾かれた時の周波数に共鳴して振動しているようです。耳を澄ませてギターの3弦だけ弾くと、やはりGの音の他に「ジーン」と言うビビりが何処かから聞こえてきます。この音の場所がわかれば修理のしようもあるのですが、一体何処から音が聞こえてくるのかが分からないのです。

このブログに辿り着いた方で同じ現象で困っているとすれば、おそらく、このブログ記事で解決すると思いますので、ぜひ最後までお読み下さい。

弦がフレットに接触して音を出してる?

最初に疑ったのは、3弦が振動している時に、微かに接触しているフレットがあり、そこで「ジーン」と音を出しているのでは?と言う事です。

私はMartinのライトゲージを主に使用しています。インストの曲がメインなので、結構ギターの弦高を下げて調整しています。なので、開放弦などを強く弾くとフレットに接触して音が出るケースも過去にありました。ですので、まず、その可能性を探ったのですが、どの弦もフレットに触れていませんでした。もし、これが原因だとすると、弦を弾いてから6弦全てを手の平で押さえて振動を止めてしまえば、音も出ないはずです。ところが、なんと6弦の全てを手のひらでミュートしてしまっても、「ジーン」と言う音は聞こえてくるのです。(ただし、3弦を弾いていない場合は、聞こえない)Gの音を力強く弾くととジーンとどこかが共鳴している。 3弦はどのフレットにも触れてないので、Gの音の周波数に何かが共鳴しているのは確かです。 しかし、その何かがわからない。orz

一体この異音の発生源は何処だ!! ペグ?

次に疑ったのは、ペグです。Martin D-18 2013年モデルは、バタービーンのオープンギアーのペグを使っています。以前から弦を張り替えるときは、ペグがカチャカチャと音を立てるので、もしかしてこれか?! と思いましたが、弦が張られてテンションがかかっている状態なので、ペグのギアー周りに緩みはありません。したがって、これが原因とも思えません。

念の為、ペグを全部手でしっかりと握ってからギターを鳴らしてみましたが、やはりGの弦を弾くと「ジーン」と言う音が聞こえてきます。

さらに謎は深まります。

オープンギアーのペグ
バタービーンのオープンギアーのペグ

トラスロッドが原因?

さらにネットで検索すると、以下のページにたどり着きました。

奥村健治アコースティックギター製作 IN ロンドン トラスロッドのビビりを直せ

こちらは、ロンドン在住の個人製作家の方のようでギター製作に大変お詳しい方が書いておられるブログのようです。トラスロッドのビビリを直せというタイトルで記事を書かれていましたので参考に読ませていただきました。トラスロッドと言うのは、ギターのネックの反りを修正する為にネックの内部に入っている金属棒のことで、私のMartinにも、もちろん使われております。このトラスロッドの振動が原因でビビリ音が出ることもあるそうです。

もしトラスロッドが原因なら、私には難易度高過ぎる修理です。そもそも工具類がありませんので、フレット外すのも一苦労しそうです。7フレットあたりでフレットを取り外して小さな穴を開け、そこからネック内のトラスロッドの溝の隙間に接着剤を流し込むという作業だそうです。楽器店に依頼すれば、高額な修理費となること間違いなしです。

ただ幸いな事に、この記事を参考にトラスロッドが原因か否かの見極め方がわかったので、それを試してみたところ、私のギターではそのケースに該当しませんでした。やはり、他に原因があるようです。ちょっとホッとしました。いや、かなりです。この個人製作家の方のサイトは色々とアコースティックギターのリペアに関しての情報が写真と共にあり、今後とても参考になりそうです。

ついに原因判明!!

途方に暮れつつも、たまたま弦も古くなっていたので張り替えをする為に、いったん全部の弦を外してから何気にギターを力強く振ってみたら、なんとなんと、かすかではありますが「シャカシャカ」と音がしました。

「なんじゃこりゃ〜〜〜」です。考えられる音の発生源のパーツはペグしか残ってません。

やはり、ペグのどこかから音が発生している?と言う事で、全部ペグを外してみました。

ギターヘッド
全てのペグを取り外した状態

で、再びギターを力強く振ってみました。なんと今度は全く音がしません!! ボディーを叩いたり色々と試しましたが(厳密にはGの周波数で振動させるのが正しいとは思いますが・・)あの異音は聞こえてきませんでした。トラスロッドが原因でもないです。つまり、ペグの何処に原因があります。

そこで、ペグを完全に分解して組み立て直しました。結果はいかに??

ペグ
ペグを全て取り外しました
ペグ
分解して組み直しました
ギターヘッド
スペーサーを木工用ボンドで接着

直りました。

どうやら原因はペグにあったようです。やった事はペグを全部取り外して再度付け直しです。分解清掃もついでにしましたが、多分そこは問題でなく、このペグのスペーサー?1つが緩んでいて異音を発していたのではないかと思います。もう緩むことの無いように、全てのスペーサーをしっかりと木工用ボンドで接着してペグを付け直したところ、今まで発生していた異音は見事に消失致しました。3弦を力強く弾いても、全部の弦をストロークしても、もう異音の発生はありません。ペグのスペーサー(正確にはなんと呼ぶのか知りませんが・・・)の緩みが原因だったようです。

今回、この程度の修理で済みましたが、本当に原因にたどり着くまでが長かったです。Martin D18は本当にバランスの取れた良い響きの音を出してくれるのですが、異音で台無しにされていたので、この修理をDIYで行えて、かつ、無駄に楽器店に修理代を取られずに済んだのでラッキーでした。なんでも自分で修理を頑張ってみないとだめですね。

同様な現象で困っている方の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

diy-hs
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”なんでも自分でやってみる” をテーマに、ブログを書いてます。素人には無理と思う様な事も、実際にやってみるとあっさりと出来たりする事もあります。失敗もありますが、失敗する事で経験となり、次は少し上達したりします。それが楽しいです。そんなDIYの情報を発信して行けたらと思ってます。仕事はAIやクラウド関連を担当してます。そんな訳でプログラミングやシステム構築も趣味と実益を兼ねてDIYを楽しんでます。ギターはもともとクラシックギターを学び、インストルメンタル専門でしたが、高校生の頃にテレビでみた卒業の映画でPaul Simonの曲に憧れて、それ以降いろんなジャンルの弾き語りも楽しんでます。S&Gの曲なら楽譜なしで弾けます。^^; また最近は独学でピアノも始めました。すでに4曲ほどレパートリーがあります。Twitterの方でも発信していますので、ぜひフォロー下さい。
(Amazonのアソシエイトとして、当サイト(diy-hs.com)は適格販売により収入を得ています。)

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