学生の頃より趣味でギターを弾いております。主にアコースティックギターのインストメンタル曲がメインですが、ブルーグラスや、ブリティッシュ・フォークなども好きで、最近では弾き語りも挑戦しております。学生時代にガソリン・スタンドで灯油の配達とかして貯めたバイト代で買ったギターは、当時5万円そこそこの東海楽器のCat’s Eyes CE-500CFですが、その30年後に、マーチンのD18(2013年モデル)を購入して弾いてます。Cat’s EyesのCE-500CFもお気に入りなので、今でも弾いてます。このギターは40年近く全く問題もなく修理も不要で現在に至ってます。Cat’s Eyes CE-500CFはニュージーランドをヒッチハイクで旅した時もずっと一緒でした。Martin D-18の方が、すでに2回の修理を経験してます。バインディング浮きの修理は、一箇所1万円でした。結構高いのです。(しかも、修理に出してる間の2週間程度は弾けない)前回フロント2箇所修理をしましたので2万円かかりました。今回も以前修理に出したマーチンのギターのボディーのくびれたところから、またバインディングが浮いてきました。完璧な修理を目指す方やお金に困っていない方は、プロにお願いした方が安心だとは思いますが、私の場合、4箇所で4万円の出費は不可能です。自分の持ってるギターの中では一番高価なギターなので躊躇はありましたが、自分で修理する事にしました。結果として素人の私でも修理できたので、その紹介です。
バインディングの状態(修理前)
バインディングの浮きの状態ですが、最初はほとんど気付きませんでした。
でも、近づいて良く調べてみると。。。浮いてます。*o*
ケースにしまったままだと気付かないのですが、取り出して弾いてみると、ボディーのくびれ部分で指が引っかかるような気がして、気付きました。2度目なのでショックです。
このまま放置すると、どんどんバインディングが縮んできて浮きがもっと酷くなるそうです。何でまた浮いてきたのか? 前のリペアした楽器店は、ちゃんと修理してくれたのか?とか疑問を感じました。湿度調整剤もケースに入れていたので、ギターの保存の仕方が悪かったのではないと思いますが、夏場高温になる和室に置いておいたのが、失敗だったのかもと反省しております。たぶん、大事にケースに入れて置くよりも、外にだしたままで外気に触れた状態の方が良いのかも?(今はギタースタンドに立てていつでも弾ける状態にしてます。時々ぶつけたりで傷をつけてしまいますが、バインディング剥がれよりまし?う〜ん、それも嫌ですが・・・)バインディングは経年劣化で少しずつ縮んできて引っ張られて、くびれの部分から剥がれてしまう事が多いようです。マーチンには良くある事と言う記事もありましたが、流石に修理してもらったのにまた同じ問題が出るなんて困ります。その点では昔の東海楽器のCat’s Eyesの製造技術すごいです。
放っておくとバインディングが全体的に短くなり、全部張り替えとなると流石に大変なので、この状態で早急に修理をDIYでする事にしました。
修理の手順
修理の手順は以下です。
- ギターを綺麗に拭く。
- 作業中に誤ってボディーやサイドを傷つけない様に、マスキングテープを貼って保護する
- バインディングとボディーの隙間ゴミ(接着剤?)があれば取り除く。固着してる場合は削る
- バインディングとボディーの間に瞬間接着剤を塗布(細いノズルがあるので購入しました)
- 接着させた上で、暫くクランプで締め付けて完全に接着されるまで放置
- マウキングテープを剥がして、接着剤のはみ出た部分があれば取り除く。
以上です。
修理に使用した接着剤
バインディングとボディーの接着には瞬間接着剤を使用しました。これにはネットで検索してプロのリペアマンの方でも瞬間接着剤を使用して修理されていたので参考にしました。実際、どんな専用接着剤が販売されているのかネットで調べたのですが、ネットの購入で送料もかかるのでやめました。そんなに頻繁に必要なものでもないので、専用接着材は買わずに瞬間接着材を使用しました。アロンアルフアだと他の用途でも使えます。
で、近場のホームセンターに行って、中粘度と低粘度の2種類の接着剤と、先の細い専用極細ノズルを購入しました。また、失敗した時にすぐに接着剤が取り除けるように、専用剥がし剤も購入しました。実は私は必ずと言って良いほど、瞬間接着剤を使うと自分の指にガチガチに接着剤が付着してしまいますので、以前から剥がし剤が欲しかったのです。
修理に使った工具
接着した状態を保つ為に、私の場合はクイック・ラチェッティング・バー・クランプを購入しました。クランプは木工とかの作業でも必要なので何本か所有しているのですが、ギターのボディー幅をカバーする長さのものは所有しておらず、今回購入しました。(他の木工作業でもいずれ必要となるかと思い・・・450mm幅までクランプできます)
接着中の状態
バインディングとボディーの隙間のゴミや、以前プロの方の修理後?の接着剤のゴミを削って綺麗にした後、恐る恐る慎重に極細ノズルを使って、中粘度のアロンアルファーを流し込んで指でそーっと押し付けて接着をしました。その後、上からいったん押さえつけをキープする為、マスキングテープを使って浮かない様にします。アロンアルファーの低粘度の方は中粘度の接着で隙間ができた際に流し込んで、使用しました。このサイズのクランプは一本しかないので、ギターフロントのバインディングの浮きと、バックのバインディングの浮きの接着を別々に2回に分けて作業しました。こんな感じです。ギターとクランプの間には、風呂のバスマットに使われていた固い発泡スチロールのようなものを挟んでます。
はみ出た接着剤を取り除こうとして大失敗!!
私の場合は、3時間ほど放置してからクランプを外して、裏面のバックのバインディングの接着も同様に行い、恐る恐るマスキングテープを剥がずと、見事に接着されておりました。ただ、接着剤が少しはみ出たりしてうっすらと白くバインディングに付着していたので、綺麗にしようと専用剥がし剤をその白っぽい部分につけてテイッシュで拭き取ってみましたが、恐ろしい事に!!
何と、バインディングが溶けます!! また、表面の光沢も失われます。
これは、要注意です。専用剥がし剤で使用されている成分はアセトンでとエタノールで、アセトンがプラスティックを溶かします。説明書にも何としっかりと赤枠で強調して書いてありました。(読んでなかった.. orz)
これは注意不足でしたが、少しずつ塗布したので、大事には至らず、何とか溶けた部分はごまかせる程度に回復しました。白っぽく付着していた瞬間接着剤は、1000番〜2000番の耐水ペーパーで削り取って、あとは車用に持っていた鏡面仕上げのコンパウンドを布につけて拭くと、綺麗になりました。
また、若干接着に隙間のある部分には、低粘度のアロンアルファーを流し込み補強しました。
修理出来ました( Before / After )
無事修理完了です。こちらが、Before/Afterです。
Before
After
全く気にならない程度にバインディングを接着する事ができました。その後、再び浮いてくる様な事は今のところありません。
2022/06/16 追記: 自分で修理(2019/11)してから2年以上程経過してますが、その後もバインディングの浮きは発生しておりません。
まとめ
今回ご覧いただいた様に、私のケースの様なわずかなバインディングの浮き(と言っても良くみると浮きが分かるし指でひっかかる程度)の場合は、クランプと瞬間接着剤があれば自分でも修理できます。接着剤を専用リムーバーで接着剤を取る際は、十分な注意が必要です。付け過ぎない様に。また、無事に接着剤が取れても、バインディングの光沢が消えて白っぽく残ります。プラスティック部分だけでなくボディーについても光沢が失われますので注意が必要です。アセトン要注意です。
最後の仕上げには、耐水ペーパーで磨いて鏡面仕上げのコンパウンドでも磨くのが良いかと思います。他にもプラスチック用磨きクロスなども使ってみても良かったかなぁと思ってます。
以上です。ご参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
投稿者プロフィール
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”なんでも自分でやってみる” をテーマに、ブログを書いてます。素人には無理と思う様な事も、実際にやってみるとあっさりと出来たりする事もあります。失敗もありますが、失敗する事で経験となり、次は少し上達したりします。それが楽しいです。そんなDIYの情報を発信して行けたらと思ってます。仕事はAIやクラウド関連を担当してます。そんな訳でプログラミングやシステム構築も趣味と実益を兼ねてDIYを楽しんでます。ギターはもともとクラシックギターを学び、インストルメンタル専門でしたが、高校生の頃にテレビでみた卒業の映画でPaul Simonの曲に憧れて、それ以降いろんなジャンルの弾き語りも楽しんでます。S&Gの曲なら楽譜なしで弾けます。^^; また最近は独学でピアノも始めました。すでに4曲ほどレパートリーがあります。Twitterの方でも発信していますので、ぜひフォロー下さい。
(Amazonのアソシエイトとして、当サイト(diy-hs.com)は適格販売により収入を得ています。)
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コメント
私のMartinのギターも同じような状況になってしまいました。修理をプロに任せるしか無いか、その場合いくらぐらいかかるか、自分でもできるか、といった観点で検索していたらこちらに行き付きました。
極細ノズルを用意した方が良さそうな点、クイック・ラチェッティング・バー・クランプが便利に使えそうな点、瞬間接着剤の専用リムーバーは要注意など、とても参考になりました。
私も自分でやってみました。100%の出来ではありませんが、まあ良しとします。
コメントありがとうございます。私のブログ記事が参考になり嬉しいです。高いギターなのでちょっと勇気が要りましたが、やってみると以外と修理できるもんあなぁって思ったので記事にしました。今もバインディングはしっかりくっ付いたままで弾けてます。^^;
長文で失礼します。Martin D28 marquisというギターのバインディングの浮きを治したくたどり着いたのですが、ラッカー塗装なので固定/圧着に悩んでおります。マスキングテープでラッカーが溶けた方もちらほらいらっしゃったので…。
ブログ内のクランプが良さそうに思いますが間にラッカーに反応しない綿のタオルを挟めばよいでしょうか。ただはみ出た接着剤とタオルがくっついてしまう対策がなかなか思いつきません。また、長期入院が祟ってブログ主さんより広範囲に浮いており(くびれからボディ上のカーブ部まで完全に浮いてくびれに沿わずにピンと張っている状態)、押し付けてもボディに沿わせるにはかなり無理な力が必要なレベルで縮んでいます。
なのでくびれから上を一度全て剥がして付け直しになります。(ボディ裏のバインディングで目立たないのでひとまず放置するかもしれませんがおそらく長さが足りないので継ぎ足しの短いバインディング材も用意しなければならない)
くびれ部分はクランプでいけると思うのですがカーブしたその上を全体的にどう固定するべきかなかなか答えが出ず助言いただければと思いコメントしました。お手数おかけしますがご返信いただけると幸いです。
コメントありがとうございます。Martin D28 marquisですか、いいギターですね。ご質問からはバインディングの浮きがかなりあるようなので、私の方法でうまくいくか心配です。バインディングを付け直す場合は、以前の接着面と若干位置がずれると思います。バインディングを接着するときに以前の接着剤の残りがあると綺麗に付かないかもなので、ご注意下さい。接着前に入念にバインディングとギター側面接着部のゴミを取り除く必要があるかと思います。ご質問のカーブしたその上の部分の固定ですが、私ならマスキングテープを貼って固定(ブログの写真では手前に一か所だけ貼ってますが、広範囲だと接着箇所全体と思います)接着を待ってからゆっくりテープをはがします。マスキングテープとはみ出た接着剤が少しバインディングの上に残ると思いますが、私は耐水ペーパーで磨いて鏡面仕上げのコンパウンドで目立たなくすることができました。私の使用したマスキングテープはNITTO TAPEと書いてましたがボディーの塗装に変化はなかったです。ただ、バインディングの縮みが大きいなら、高価なギターだけにプロに頼んで全部やってもらうのも安心かと思います。ご参考になれば嬉しいです。^^;