オーブントースターのタイマーの修理 DIY

トースターのタイマースイッチの修理 家電修理DIY
トースターのタイマースイッチの修理

オーブントースターのタイマーでスイッチが切れなくなった

我が家で使用しているオーブントースターのスイッチが、ある日突然切れなくりました。いつもなら「チーン」と言ってスイッチが切れてタイマーも止まるのですが、タイマーは止まっても「チーン」と言う音はぜず、スイッチが切れずにパンが真っ黒こげです。

そこで、DIYで修理してみました。試行錯誤の末、やっと修理できました。修理の途中で私はいくつか部品を破損してしまいました。今回、私の失敗談も含めて紹介しますので、この記事を読めば部品を破損する事なくタイマースイッチを修理する事に役立つと思います。参考になれば幸いです。

今回修理した私のオーブントースターは、2016年製のアクア AQT-WT2と言う機種です。

2016年製のアクア AQT-WT2

基本、タイムコントローラーはオーブントースターの機種によらず汎用的にほぼ同じ原理で作られたものを使用していると思います。たぶん・・・

修理開始

まず、修理の前に原因を推測してみました。

歯車(ギア)の潤滑不良?

最初に考えたのは、タイマーに使用されている歯車(ギア)の潤滑不良で歯車が動かずスイッチが切れない状態なのでは? でした。

タイマースイッチはつまみを回して時間をセットするので、きっとゼンマイが巻き上げられて歯車が速度を調整しながら、ゼンマイの戻る力でタイマーを回しているのだろうと考えました。それならば、歯車に潤滑剤を注してやれば直るはずです。

駆動の為のゼンマイの劣化?

次に考えたのは、ゼンマイの劣化による歯車駆動の力不足です。もしゼンマイの力不足ならゼンマイを短くすると復活するのでは?と考えました。ゼンマイは短くするとトルクが増加するらしいです。根拠として、こちらのサイトの情報がとても参考になりました。

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タイマースイッチを取り出す作業

オーブントースターの解体が大変でした

タイマーの位置は明白なのですが、そこに到達する為にはトースターの分解が必須でした。トースターは長年の使用でパンくずとかチーズが溶けて真っ黒に焦げたものとか悲惨な状態でしたので、分解して掃除する事も分解の目的でした。

やっかいなのは、ノブのついたパネルの取り外し

前面のパネルを外せば、スイッチが取り出せるはずです。ですが、このパネルを外すには裏ブタを外して側面のカバーも取り外す必要がありました。なぜならば、赤丸で示した部分に全面パネルの爪が刺さっていて、爪を捻って本体に固定してありました。側面のカバーを外して裏からラジオペンチとかで、この穴を通れるように真っすぐに変形させる必要がありました。

その後は底のネジ3つを外すだけでスイッチは取り出せました

分解はトースターの組み立て構造が分かってないので結構苦労しましたが、無事にタイマーにアプローチする事ができました。

ノブを破損(涙)

さて、私の失敗談その①です。画像のように、パネルとノブがくっ付いてます。タイマーのノブを外すのにノブの隙間からマイナスドライバーを差し込んでこじ上げて外そうとしたら、プラスチック製のノブが割れてしまいました。ちょっと力任せにし過ぎたようです。ここは、じっくりと焦らずに少しづつ持ち上がってくるのを確認しながら、慎重に外せは破損せずに取り外せたと思います。ネジとかで止まっているのではなくて、単にタイマーのシャフトにしっかりと差し込まれた状態で固定されていました。ですので、ゆっくりと慎重にひっぱれば、必ずノブは抜けたはずです。

残念ながら私は破損させてしまいました。タイマースィッチ本体は5の数字のところと14の位置になるネジで固定されてます。

タイムコントローラーの分解

役に立ったサイト

さて、タイムコントローラーへ潤滑剤を注すにしても、ゼンマイを短くしてトルクUPするにして、まずタイムコントローラーを分解する必要がありますが、その為には、こちらで紹介しているサイトがとても参考になりました。非常に詳しく解説されているのでとても役に立ちました。この方も同じような故障で修理されて、最終的にゼンマイを短くする事で解決されたようです。ですが、残念ながら私の場合はそれでも解決しませんでした。

オーブントースターのタイマーの修理
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潤滑剤を注してみましたが解決せず

私も潤滑剤を歯車に注して試してみましたが、解決しませんでした。タイマーがカリカリと動くのですが、最後はピタッと止まってチーンとはならず。つまりスイッチが切れていない状態です。(泣)

トルクUPの為に、ゼンマイを短くしてみる

次に、トルクUPすることにしました。ゼンマイを引っ張りだして折り曲げて短くするつもりでした。

ゼンマイが折れた

なんと、ラジオペンチで曲げるとパキッとゼンマイが折れてしまいました! 

折れたゼンマイの一部

「お~~~~~~~~~~~ 終った!!」 と思いました。でも諦めきれずにギアボックスに引っ込んでしまったゼンマイの端を、ギアボックスを分解して引っ張りだして、元のひっかけ場所に戻そうと頑張ってみました。

ですが~~!

さらに分解して歯車もバラバラに(涙)

ギアボックスの留め具(上面カバーは爪をねじって固定してあるだけ)を外して、上の蓋をあけたとたん、歯車がバラバラになって飛散しました。

再び、「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 終った!!」です。

歯車がバラバラで一体どう言う風に組み立ててあったのか不明です。

ほぼ詰んだと思った状態

 

さらにゼンマイもほどけた

ゼンマイにアプローチ出来たので、先端を曲げてひっかけれるようにして、ギアボックスでひっかけ用の爪にかけようとしましたが、失敗してゼンマイが弾けてしまいました。そりゃかなり強い力がかかってましたから・・・ これは想定された最悪の結果でした。ここでかなり絶望的になりましたが、結果としてはこの状態からはゼンマイを巻き上げることでなんとか元の状態まで復活できました。

さらにギアボックスも、初回とても苦労して歯車を組み直しましたが、無事に元通りに組み直せました。

しかし、さらなる試練が~

無事に組み直せたギアボックスですが、なんとゼンマイを巻き上げてもビクとも動作しません。ゼンマイは巻き上がっているのですが、歯車が動かないのです。

「終わった!」 もう何度も終わってますが・・・(笑)

でも頑張って様子をみてみたら、ウェイト部品に触れると少し歯車がカチカチと動きました。試行錯誤の末、どうやらウェイトのピンが歯車にあたる部分の調整が必要と判明。精密ドライバーを差し込んでピンの傾き具合を変えてやると無事にカチカチと歯車が動きだしたました。

調整が必要だったウェイトの2本のピン(矢印の部分)僅かな傾き具合で動作が異なる

「助かった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」 です。こんな嬉しかったことはありません。しかし、この構造、めちゃ精密で、良くできた機械構造です。職人技と言うか、良く考えたなぁ~と思う程の構造です。勉強になりました。この修理が出来たので時計職人に慣れそうです。(そりゃないか?)

ゼンマイを短くしたけど解決せず

無事のゼンマイを短くして確かにテンションは上がったのですが、ギアボックスを組み直して。でも、スイッチが切れない状態は変わらず。

再び絶望的になりました。これで解決できないなら、もうどうしたらいいの?

さらにタイマーのシャフトも一部破損(泣きっ面に蜂)

いらついて、ゼンマイをまきあげたり、戻したりマイナスドライバーでシャフトを捻っていると、なんとシャフトの一部が破損しました。泣きっ面に蜂です。ですが、この災いが後ほど転じて福となりました。

ついに原因と解決策を発見して試行錯誤

原因はカム

原因は、カムが回転してスイッチを切る為のそのカムの溝にバネの力で勢いよく落ちるはずの爪が、カムの溝が回りきらずに止まってしまって、爪が落ちるのを妨げていると判明しました。なぜこうなってしまったのかは不明です。ゼンマイのトルクUPをしたのだから、溝が爪が落ちる位置まで回ってくれても良さそうなものですが、後一歩で止まります。良く見ると金属のストッパーがあり、それ以上回らない様になってます。

カムに穴あけしてスイッチを早く切れるようにした (NG)

そこで、カムを動かしているピンがはまる穴を、もう一つ手前に開けて、早めにカムの溝の爪が落ちるように改造してみました。するとなんと、見事に爪がカムの溝に落ちてスイッチを切る事ができました。

「直った!」 と思ったのもつかの間、新たな問題が!!

実際に組み立て直して使用してみると、確かにタイマーで時間がきたらスイッチが切れたのですが、そのまま、まだタイマーの歯車は「カチカチ」と動き続け、ついにカムがふたたびスイッチの爪を押し上げて、ヒーターが再びONになりました。これは超危険です。この状態でタイマーが終了すると、電熱ヒーターがついたままになって終了してしまいます。

赤の矢印の部分で爪にあたってカムの回転が止まります。この機構でカムが回り過ぎて再びスイッチオンになる事を防いでいます。

この金属部品は、歯車が回り続けない為に用意されてる部品でした。私がカムに別な穴をあけたせいで、この機構が機能するまで暫くカムが回転を続ける事になり、いったんスイッチをオフしたあとに再度スイッチの接点を押し上げてONにしてしまうと言う状況になってしまっていました。

カムをさらに加工してスイッチが早く落ちるようにした (OK)

そこで、次に行った改良は、カムの溝にスイッチを切る爪が落ちないなら、カムの溝をヤスリで削って大きくして、爪が落ちやすくしてやると言う事です。こちらの画像をご覧ください。

赤の部分がヤスリで削った部分。青で示した部分がスイッチの爪です。これがカムの溝に落ちて「チーン」とベルをならしてスイッチが切れる仕組みです。

加工した後の状態。これで、歯車が止まる前にカムの溝にスイッチが落ちるようになりました。

比較の為、Beforeの画像は以下です。

加工前のカムの溝の大きさ。スイッチの爪がこの溝に落ちる前にカムが止まってました。

結果としてこの加工をした事でスイッチが無事に溝に落ちるようになりました。

災い転じて福となる

つまみノブの代用品

シャフトが一部破損したせいで、昔分解して取っておいたボリューム関連のつまみが刺さるようになりました。そこで、ちょっと爪楊枝を穴に埋めて、木工用ボンドでタイマーのシャフトに挿して固定しました。もう少し硬化するような半永久的な方法があればそうしたかったのですが、とりあえず応急対応で済ましてます。翌朝になると家族がオーブントースターを使用するので、時間の余裕もなく取り敢えず使用に耐えるノブが必要でした。

まとめ

今回修理したトースターは長年使用したので、おそらく、そのうち新しいオーブントースターを購入すると思いますが、それまでは十分使えそうです。

ゼンマイについては、やはり劣化したりしてパワー不足になるのですね。ただし、今回の修理では、ゼンマイのトルクUPは不要だったのかも?です。カムの部分の加工が結果としては解決に繋がってます。もしくは、複合的にゼンマイの問題も絡んでいたいかもですが・・・

今回、トースターの分解は大変でした。構造が分からないので結構時間が掛かりましたが、無事に分解できて、パンくずや汚れを綺麗に掃除できたのも良かったです。

オーブントースターの機種によらず、このタイムコントローラーは汎用的に使用されていると思います。実際分解してみて、とても良く考えられた機械構造で驚きました。分解してギアーが外れた時は絶望的な気分になりましたが、同じ分解組み直し作業を結果として5回も行ったので、もう完璧です。何回でも出来ますレベル。^^; 

結局、タイムコントローラーの精巧な歯車構造の内部を知る事ができて、動作原理が分かり面白かったですが、買ってしまって交換するのが手っ取り早いです。それほど高いものではないので、白色のノブを見つけたら、新品のタイムコントローラーを購入して付け替えてみようかなと思ってます。

この記事が参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

diy-hs
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”なんでも自分でやってみる” をテーマに、ブログを書いてます。素人には無理と思う様な事も、実際にやってみるとあっさりと出来たりする事もあります。失敗もありますが、失敗する事で経験となり、次は少し上達したりします。それが楽しいです。そんなDIYの情報を発信して行けたらと思ってます。仕事はAIやクラウド関連を担当してます。そんな訳でプログラミングやシステム構築も趣味と実益を兼ねてDIYを楽しんでます。ギターはもともとクラシックギターを学び、インストルメンタル専門でしたが、高校生の頃にテレビでみた卒業の映画でPaul Simonの曲に憧れて、それ以降いろんなジャンルの弾き語りも楽しんでます。S&Gの曲なら楽譜なしで弾けます。^^; また最近は独学でピアノも始めました。すでに4曲ほどレパートリーがあります。Twitterの方でも発信していますので、ぜひフォロー下さい。
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